看護師として活躍している方でも、健康日本21のことを知らない人がいるかもしれません。健康日本21とは、すべての国民が健康で明るく元気に生活できる社会を実現するために、健康寿命を延ばしたり、生活の質の向上をアップさせるための取り組みで、2000年から行われています。2024年度から行われている第三次の運用では、女性の健康や、自然に健康になれる環境づくりといった新しい視点が導入されており、注目が集まっているでしょう。これをきっかけに、看護師の方も自らの働き方について考えてみませんか。
夜勤は若い時は平気でも、年を取るごとに体がきつくなってきます。夜勤のダメージは、簡単には0にできません。長く看護師の仕事を続けたいなら、心身の健康に普通以上に気を遣うべきです。人間の体のリズムは、本来、約25時間だと言われています。朝、太陽の光を浴びることで体内リズムを24時間に調整しています。太陽の光と同時に、食事も体内リズムの調整に関係しています。食事のリズムをコントロールすることで、夜勤のダメージをある程度避けられるという研究結果も出ています。
南オーストラリア大学では、夜の0時30分にしっかり食事をした場合と、同じ時間に軽食だけ(1日に必要なエネルギーの10%程度)を摂った場合、何も食べなかった場合を比較する研究が行われています。夜食を食べたグループ、軽食を食べたグループ、そして、何も食べなかったグループが同じように夜勤につきました。眠気、パフォーマンスの低下、そして体への影響を調べると、軽食を摂ったグループは、仕事のパフォーマンスに変化がなく、体への悪影響もほぼ見られませんでした。結果的に夜勤中の食事は、1日の摂取カロリーの約10%に抑え、軽い空腹状態を保つ方が良いということです。「夜勤は体力を使うから、しっかり食べないと」と、カップラーメンや揚げ物などカロリーの高い食事を摂る看護師も多いですが、できるだけヘルシーで軽い食事にし、夜勤明けには、きちんとバランスの良い朝食を摂ることで、体もメンタルも健康に保つことができるでしょう。