医師の診察補助、点滴や注射、与薬などが病棟看護師の仕事です。他にも患者さんのバイタルチェック、食事や排せつ介助、清拭や洗髪、体位交換などやるべき仕事はたくさんあります。患者さんのケア、治療に関わるだけでなく、健康指導も病棟看護師の仕事の1つです。一例として、糖尿病や脂質異常症の患者さんに対して、食事指導、運動指導などを行います。食事と運動は普段の生活の中で誰もがやっていることですが、病気に合った食事や運動をするように指導します。食事や運動指導が必要なのは、糖尿病患者さんだけではありません。メタボリックシンドロームの予防や改善が必要な患者さんにも行います。
喫煙や飲酒は健康を損ないます。このような習慣は心臓や血管、各臓器に悪影響を及ぼします。禁煙や禁酒の重要性を伝え、喫煙やアルコール依存症などは治療が必要な病気であることを、患者さんに理解してもらいます。治療に有効な薬剤の情報を提供し、禁煙や禁酒の動機付けを与えて支援します。
患者さんの健康増進をサポートすることには大きな意義があります。病気予防になり、現在、病気の方も現状維持もしくは症状改善が期待できます。患者さんへの健康指導は看護師にとって大切な仕事。頭ごなしに指示するのではなく、なぜ指導が必要なのか、生活スタイルを改善する必要があるのかを理解して頂くようにし、患者さん自身が行動したいという動機付けができるようにサポートしましょう。日本全体では、健康日本21というすべての国民が心身とも健やかに生活できる社会にする取り組みが存在しています。この健康日本21にあるように、これからの社会では、ただ長生きするだけではなく、健康寿命を延ばすのが重要視されている現状です。看護師が患者さんの健康増進をサポートすることは、健康日本21の推進にもつながっているでしょう。
~健康日本21を深堀りします~